閲覧者の動作に同期して動くコンテンツ表示を行なうサイネージシステム

近年,駅構内や商業施設において道案内や広告を目的とした,大型ディスプレイを用いたデジタルサイネージが普及しつつあり,今後も普及が期待される.大型のサイネージには多くの情報が同時に表示できるが,情報取得者が自身の見たい情報を見つけることが難しくなり,現状は1種類の広告を提示するのみ等にとどまってしまい,その利点を十分に生かせていない.そこで,本研究では取得者がもつスマートフォンもしくはスマートウォッチと,デジタルサイネージ側を連携させ,取得者の特定の動作に同期して提示されたコンテンツが動くことで,複数の情報が提示された中から,取得者が見たい情報を見つけやすくする手法を提案する.本手法を用いることで,スマートフォンから得た情報により個人に合わせた情報提示を行なえるようになると共に,その提示を複数人が同時に閲覧する環境にも対応できる.これまでに,提案手法により,情報取得者が実際に複数提示されたコンテンツの中から自身に対応する情報をすぐに見つけることができるかについて評価実験を行なった.評価実験の結果,少ない動作回数により対応する情報を見つけることができ,本手法が有効であることを確認した.

磯山直也, 神崎達実, ロペズ ギヨーム: 複数人に対する同時個別情報提示を可能にする手法の提案, 情報処理学会マルチメディア, 分散, 協調とモバイルシンポジウム (DICOMO 2016) 論文集, pp. 1616–1620 (July 2016).

神崎達実, 磯山直也, ロペズ ギヨーム: 複数人に対する同時個別提示を可能にする動作同期を用いた情報提示手法, 情報処理学会 第78回全国大会, pp. 4-317–318 (Mar. 2016).