スケジューリングへの動画視聴の利用

観光は娯楽の一つとして多くの人に親しまれており,多くの人が観光へ行く前にどのように観光地を巡るかについてスケジューリングを行う.しかし,人は過去を美化してしまうことが多く,観光スケジューリングの際にもこれまでの観光経験を美化しつつ思い出し,それを参考にスケジュールを作成してしまい,その結果,予定を多く詰め込み過ぎてしまうことがある.そこで,自身の過去の観光経験を適切に思い出すことが重要であり,適切に思い出すことで個人に適したスケジュール作成に役立てられるのではないかと考え,VR環境で観光地の動画を視聴することで,ユーザがそこに行っていると感じ,過去の観光経験を適切に思い出せる手法について提案する.提案手法を用いる際,ユーザはスケジューリングの前に目的地とは異なる観光地の動画を HMD で視聴しながら観光経験を思い出し,その後スケジューリングを行う.実験では,視聴する動画が異なることで,スケジューリングへの影響に変化があるかについて調査した.結果として,多くの観光スポットが登場する動画を視聴しながら思い出すことにより,自身が好む,好まない観光内容について思い出しやすくなることが確認できた.

We tend to glorify memories and remember that our past sightseeing experiences were fun. When we make a tourism schedule, we often make the overloaded one by referring to fun memories. Therefore, we propose a method that a user appropriately recalls the past sightseeing memories by feeling that he/she is there by watching videos taken at tourism spots. In this paper, participants make tourism schedules after recalling their memories while watching a video by using a VR headset. As a result, we confirmed they could remember what/how they like(dislike)/enjoy at tourism spots by recalling their memories while watching the video.

磯山直也, 寺田 努, 酒田信親, 清川 清, 塚本昌彦: 観光スケジュール作成時に観光地の360 度動画を視聴することの影響調査, ユビキタス・ウェアラブルワークショップ2020 論文集, p. 33 (Dec. 2020).

磯山直也, 寺田 努, 酒田信親, 清川 清, 塚本昌彦: 観光地の動画視聴による過去経験の想起が観光スケジュール作成に与える影響の調査, 情報処理学会マルチメディア, 分散, 協調とモバイルシンポジウム (DICOMO 2020) 論文集, pp. 726–734 (June 2020).