Naoya Isoyama
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インタラクティブに点灯が変化するLEDライトシステム
音楽業界では,音楽パッケージの販売数は減少傾向にあるものの,ライブやイベントへの観客動員数は増加している.音楽の楽しみ方が,一方方向から相互方向へと変化してきていると考えられる.実際にライブパフォーマンスはコンテンツ産業の中でも重要な位置づけにあり,ICTによりイノベーティブな改革が期待されている.ライブでは観客を楽しませるために,様々な凝った演出が行なわれており,これまでの音響や照明に加え,現在では映像投影やレーザーが演出の一要素として一般化しつつある.この分野では常に新しくインパクトのある演出効果が求められるが,それは信頼性が確保されつつ,汎用的に利用できることが望ましい.次の要素として注目を集めているのは,RippleLightやXylobands,PIXMOBのような観客が持つペンライトやリストバンドを光らせるといった演出である.これらは無線で制御され,音楽や位置に合わせて点灯や色が変化する.しかし,観客が色を指定できるものもあるが,演出の多くをシステム構築者によって制御され,観客にとっては受動的なものとなっている.また無線を制御するための機器が必要となり大掛かりなシステムとなったり,他の無線との衝突が無いかテストが必要となったりする.
そこで本研究では,装着者の動きに合わせて点灯させることで,観客にライブに参加していると感じさせ,新たな楽しみを与えられるLEDライトシステムを提案する.手を動かすことで点灯を変化させるが,激しく振る,手を叩く等によって段々と光量が増すいった演出も行なう.
常時点灯していて,観客の動きに合わせて点灯パターンが変化する機能のほかに,観客が手を動かすことを促進するために,手を動かしていると光量が増し,動かしていないと光量が減る機能ももたせる.現在のライブでも観客は出演者を応援したい,参加したいという思いから手を動かしているが,その際によく見られる「手を振り上げる」「拍手する」「テンポに合わせて手を叩く」等の動作を対象とする.
磯山直也, 寺田 努: 楽しむ「きっかけ」作りを目的としたエンタテインメント現場へのICT導入の検討, EC研究会, Vol. 2015-EC-37, No. 2, pp. 1–4 (Aug. 2015).
磯山直也, 寺田 努, 塚本昌彦: ライブ会場での腕振り動作を促進するLEDライトシステムの提案, UWW2014, p. 24 (Dec. 2014).